ライフイズビューティフル

訪問記/書評/勉強日記(TOEIC930/IELTS6.0/HSK5級/Python)

書評

創造的破壊の力: 資本主義を改革する22世紀の国富論 | フィリップ・アギヨン (著), セリーヌ・アントニン (著), サイモン・ブネル (著) | 2025年書評31

資本主義の中でイノベーションの果たす役割はとてつもなく大きなものでありました。本書の着想はオーストリアの経済学者シュンペーターが提唱したアイデアからきています。 イノベーションと知識の普及が成長プロセスを支える イノベーションの創出にはイン…

ヒルビリー・エレジー | J・D・ヴァンス (著), 関根光宏 (翻訳), 山田文 (翻訳) | 2025年書評30

先日のアメリカ、ウクライナとの会談含め良くも悪くも存在感を示したJDヴァンス副大統領。最近では色々なメディアで彼の本の話題が取り上げられるようになり興味を持ったことから手に取ってみました。 ohtanao.hatenablog.com www.youtube.com アメリカで出…

日本経済の死角 ――収奪的システムを解き明かす | 河野 龍太郎 (著) | 2025年書評29

前著の成長の臨界に続き河野龍太郎さんの最近の著書である日本経済の死角を読みました。 本書のポイントになっているのは収奪的と言われるいわば搾取的な構造についてです。 よく日本で話されるのは成長できなかったのは生産性が上がらなかったからではない…

成長の臨界:「飽和資本主義」はどこへ向かうのか | 河野 龍太郎 (著) | 2025年書評28

最近新著を出したということでウェブメディアによく出られていた河野龍太郎さんの著書である成長の臨界を読みました。 www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com グローバリゼーションや経済の過去、また道徳的観点や環境問題的な側面も加味しながら…

モンパルナス1934 | 村井邦彦 (著), 吉田俊宏 (著) | 2025年書評27

六本木にあるイタリアン「キャンティ」。美男美女が集う憧れの文化サロンのような場所だったと言います。ここを作ったのは川添浩史さんとタンタン(梶子さん)。このキャンティがなければアルファレコードもYMOも生まれなかったのではという帯文字が書かれて…

カフェから時代は創られる | 飯田美樹 (著) | 2025年書評26

今やSNSが人々の溜まり場として機能してスマホに釘付けの世の中、田舎に行くと公民館や駅前の謎の大型スペースに人が溜まっている様子なども目にします。カフェは人が集まる場所の一つであり、本書ではカフェはがどのような役割を演じていたのか紹介していき…

図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書 | 小宮 一慶 (著) | 2025年書評25

経済ニュースを見ているとROEという言葉をよく聞きます。先日はトヨタがROEを20%目指すという発表がありました。ここ数年キーワードとなっているROEを中心に経済指標の説明が書かれている小宮さんの本を読みました。 www.nikkei.com 本書ではROEなどの用語…

90歳までに使い切る お金の賢い減らし方 | 大江 英樹 (著) | 2025年書評24

お金を貯める系の本をたくさん読んでみて最近はお金を使う本を読む機会が増えてきました。新NISAとともに今や投資ブームであり、マネー本も多く出版されています。著者の大江さんが指摘するのは「地味本」と「派手本」。派手本は「西銀座チャンスセンター一…

世界のラグジュアリーブランドはいま何をしているのか? | イヴ・アナニア (著), イザベル・ミュスニク (著), フィリップ・ゲヨシェ (著), 鈴木 智子 (監修), 名取 祥子 (翻訳) | 2025年書評23

ブランド価値というものに興味を持ち何冊かブランドや価値に関わる本を読みました。価値の付与の仕方は様々であり再現性のないアート的な要素がありまた人々がそれに惹かれる事に不思議に思いつつもとても興味深く思います。 毎年発表されるブランド価値ラン…

百年の品格 クラシックホテルの歩き方 | 山口 由美 (著) | 2025年書評22

コロナが落ち着き旅行需要が戻ってきた中で最近は外資系のホテルが日本に進出してきているニュースをよく見かけます。昔は安く宿泊することだけを考えていたりしましたが歴史のあるホテルやその地域で結婚式に使われるようなホテルに興味を持ち、なかなか高…

月とコーヒー | 吉田篤弘 (著) | 2025年書評21

いつも実用的な本ばかり読んでいるなと思い、読書の幅を広げたいなと感じていた所目に止まった月とコーヒー。本屋さんで目立つ所においてある事も多く何回か目にしてたけれども手にしたことがなかった本でしたがせっかくであればと思い買ってみました。 月と…

ラグジュアリー戦略―真のラグジュアリーブランドをいかに構築しマネジメントするか | J.N.カプフェレ (著), V.バスティアン (著), 長沢 伸也 (翻訳) | 2025年書評20

Jean-Noël Kapferer著のラグジュアリー戦略を読みました。過去色々なブランドの本を読んできましたがラグジュアリーという概念は未だあまり理解できておらず知りたいことでもありました。 ohtanao.hatenablog.com ohtanao.hatenablog.com ohtanao.hatenablog…

科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線 | 中室牧子 (著) | 2025年書評19

PIVOTなどでおなじみの中室牧子先生ですが、前著の学力の経済学から10年ほど経ちいよいよ新刊が発表されました。 中室牧子先生のスタイルの素敵さも魅力的ですが、著書も毎回面白く時代に合致したような内容を専門家が分かりやすく表現してくれています。 ww…

言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか | 今井 むつみ (著), 秋田 喜美 (著) | 2025年書評18

認知科学を専門とする今井むつみ先生と言語学者の秋田喜美先生の書く言葉の認知に関わる本になります。 言われてみると言葉とは不思議なものでメロンという言葉を聞けばメロンの色や模様、匂い、果肉の色や食感、味など思い出すことができます。かたや経験が…

あの国の本当の思惑を見抜く 地政学 | 社會部部長 (著) | 2025年書評17

Youtubeで活躍する社會部部長の著書が出ましたので早速読んでみました。社會部部長と言えばどの動画も面白く興味深い視点を提供してくれます。特に好きな動画はフィンランド教育失敗の話で依然もブログ内で触れたことがあります。 www.youtube.com www.youtu…

ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」 | 坂本 貴志 (著) | 2025年書評16

人口減少社会においてこれから日本はどのように向かっていくのでしょうか。ほんとうの定年後の著者坂本さんの新しい本でこれからの日本経済をデータを用いて見通していく内容です。 ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」 (講談社現代新書)…

ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う | 坂本 貴志 (著) | 2025年書評15

年金や老後2000万円問題など未来の不安は誰しもつきものだと思います。野尻さんの著書やDIE WITH ZEROなどから老後には思っているよりはお金要らないのでは?という話がまとめられているのですが本書も大枠はその流れであり、本当に稼ぐべきは毎月10万円を小…

入門経済物理学: 暴落はなぜ起こるのか? | ディディエ ソネット (著), Didier Sornette (原名), 森谷 博之 (翻訳) | 2025年書評14

カオスの帝王を読みディディエソネットを知り興味を持って本を読みました。タレブの主張はブラックスワンというイベントは予測できないものであるというですが、ソネットの主張はドラゴンキングは予測できるものである、という考えです。暴落を予測できるの…

伊藤亜和 | 出版区 | 2025 Youtube review #2

いつの間にか毎日のようにYoutubeを観るようになり本もYoutubeで探してみたりします。本屋で誰かが買い物する様子を解説しながら見れるというのも好きで本好きの人が独自の世界観で癖を語るのも趣があります。 www.youtube.com 今回は伊藤亜和さんがブックフ…

倒産企業の財務諸表に学ぶ フローとストックの安全性分析 | 堀江 國明 (著), 堀江 亮佑 (著), 小林 達也 (著) | 2025年書評13

最近はNewspicksのNPレポートシリーズが好きで上場廃止の話や倒産寸前の話などを知る仲で倒産企業についてどのような生態系があったのか知りたいと思い倒産の話を知れる本書を読みました。 www.youtube.com 著者は税理士法人TripleWinの方々です。ホームペー…

起業のファイナンス増補改訂版 | 磯崎 哲也 (著) | 2025年書評12

起業がブーム化してからしばらく時間が経っており、行政もスタートアップ政策なども増えてきている時代かなと思います。アメリカがあまりに起業で成功しており生態系としての経済成長が著しく日米の格差を指摘することなどが起源なものかなと感じます。 仕事…

台湾漫遊鉄道のふたり | 楊 双子 (著), 三浦 裕子 (翻訳) | 2025年書評11

日本統治時代の台湾。作家の青山千鶴子は世間に反発しながら生き、帝国主義的な宣伝になるような執筆はしないと台湾の旅行記の話を断り続けていましたが、ある時講演のために訪れた台湾で美食や文化の素晴らしさに触れます。 そこで出会った台湾人通訳の千鶴…

ファイナンス思考――日本企業を蝕む病と、再生の戦略論 | 朝倉 祐介 (著) | 2025年書評10

2025年は財務、会計、ファイナンスなどの話題に逃げないようにしようと思ったこともありファイナンス思考を読みました。 www.youtube.com 日本起業を蝕んでいる考えにPL脳があると朝倉さんは指摘します。PL脳とは目先の売上や利益を最大化することを目的化す…

DUCKS(ダックス)仕事って何? お金? やりがい? | ケイト・ビートン (原著), 椎名 ゆかり (翻訳) | 2025年書評9

英語圏で話題になっていたダックス。著者はKate Beatonというカナダの漫画家であり、自身の20代前半の経験をもとに書いた本になります。 www.harkavagrant.com 大学を卒業したもののそこには多額のローンが残り好きなことをする前にローンを返すために高い給…

カオスの帝王―惨事から巨万の利益を生み出すウォール街の覇者たち | スコット・パタースン (著), 月谷 真紀 (翻訳) | 2025年書評8

ブラックスワンで有名なナシーム・ニコラス・タレブが率いるファンド、ユニバーサインベストメンツに関する本になります。ブラックスワンでも語られてまれに起きるリスク(テールリスク)に備える投資スタイルになります。 ohtanao.hatenablog.com ユニバー…

60代からの資産「使い切り」法 今ある資産の寿命を伸ばす賢い「取り崩し」の技術 | 野尻哲史 (著) | 2025年書評7

資産を使い切るといえばDie with Zeroが流行りました。人生の最後に資産を使いきる事に注目が集まった中で本書は合同会社フィンウェルの野尻さんの著書を読んでみました。 www.youtube.com 本書以外にも野尻さんの会社フィンウェルでアンケートを行っており…

財務3表実践活用法 | 國貞 克則 (著) | 2025年書評6

國貞さんの財務三表シリーズ三冊目である活用法について読みました。一冊目で基礎的な話や全体像を理解して2冊目、3冊目でそれらをどう見ていけばよいのかという点を学ぶ流れがとても分かりやすく良いシリーズでした。 本書は事業のフェーズでの財務に関し…

財務3表図解分析法 | 國貞 克則 (著) | 2025年書評5

理解法に続いて分析法の本書を読みました。理解法ではスタートとしてイメージを掴み、取引の例を見てそれが財務三表にどのように反映されるのかを見ていきました。 財務三表は前回の繰り返しになりますが、会社の共通の活動である お金を集める 何かに投資す…

財務3表一体理解法 | 國貞 克則 (著) | 2025年書評4

國貞さんの財務3表解説本の一つ目として理解法について読みました。國貞さんは財務や会計出身ではなく工学系の背景ということで財務や会計知識の無い人達にどうしたら財務3表が読めるようになるのか分かりやすくすることを目指して解説本を色々と書かれて…

根性論や意志力に頼らない 行動科学が教える 目標達成のルール | オウェイン・サービス (著), ローリー・ギャラガー (著), 国枝成美 (翻訳) | 2025年書評3

イギリスのナッジユニットであるBITの著者による目標達成への考え方をまとめた本になります。 www.bi.team www.youtube.com en.wikipedia.org BITの考えには「人びとがよりよい意思決定を行えるよう、従来の官僚的手段によらず、合理的に後押しする方法を見…